特定技能で働くときの労働条件

特定技能制度は聞いたことがあっても、実際の雇用条件がどのように決められるのか、日本人スタッフとの違いがあるのか、といった点はあまりご存じない方も多いと思います。

 

特定技能で働く場合も、基本的には日本の一般労働者と同じ扱いになります。雇用契約は必ず書面で結ばれ、仕事内容や勤務時間、給与、休日、残業の有無などが明確に定められます。契約内容があいまいなまま働き始めることは認められていません。もちろん最低賃金法も労働基準法も適用され、固定残業代を含む場合には、その内訳や時間数も明確にする必要があります。

 

結論としては、同じ職場で同じ業務に従事する場合、同等の就労経験を持つ日本人と同等以上の労働条件であることが求められます。特定技能だからといって安く雇えるという制度ではありません。むしろ、賃金や待遇が著しく低い場合には、在留資格の取得や更新にも影響する可能性が高くなります。
また、社会保険についても重要なポイントで、雇用形態がフルタイムである場合、健康保険・厚生年金・雇用保険に加入するのが原則となります。将来の年金や傷病手当、失業給付などにも関わるため、受入れ企業側のきちんとした管理体制が求められます。

 

さらに、特定技能では生活面の支援制度も特徴の一つです。多くの場合、住居探しや生活オリエンテーション、日本語学習、相談対応などのサポートが提供されます。登録支援機関に委託するケースもあれば、企業が自社で支援体制を整える場合もあります。労働条件そのものだけでなく、生活環境も含めて働きやすい体制を整えることが求められ、十分にサポートすることによって安定した雇用につながります。
特定技能外国人にとって、長期的に安心して働いてもらえる環境があることで、定着率が高まり、教育やサポートの負担も減っていきます。外国人材の就労は制度理解が必要な分野ではありますが、基本を押さえて進めれば、企業にとっても働く本人にとっても、大きなメリットが生まれる制度だと思います。

 

制度を正しく理解し、安心できる労働環境を整えることが、特定技能活用の大きな第一歩となります。

 

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