育成就労制度【最新動向まとめ】

育成就労制度【最新動向まとめ】

2027年4月から始まる「育成就労制度」について、2026年1月時点の最新動向について行政書士がわかりやすく解説します。

育成就労制度、2027年開始の新制度やさしく解説【最新動向まとめ】

育成就労制度は、現在の技能実習制度に代わる新しい外国人材受入れ制度として、2027年4月1日からスタートすることが正式に決まっています。
これまでの技能実習制度は「国際貢献」を建前としつつも、実態としては人手不足対策として使われてきました。その結果、転籍がほとんど認められないことや、労働環境の問題が指摘されてきたのも事実です。
育成就労制度は、そうした反省を踏まえ、「人材育成」と「労働者としての保護」をより明確に位置づけた制度として設計されています。企業にとっても、単なる短期労働力ではなく、将来的に特定技能へとつながる人材を計画的に育てていく制度だと理解すると分かりやすいです。

 

施行スケジュールと技能実習制度の扱い

 

新制度は2027年4月1日に施行され、同日をもって技能実習制度は新規の受入れができなくなります。ただし、すでに来日している技能実習生については、一定の経過措置が設けられ、直ちに制度が切り替わるわけではありません。
企業側としては、2026年から2027年にかけてが実質的な「移行準備期間」となります。今後、外国人材の受入れを継続したい企業は、育成就労制度を前提にした体制づくりが必要になります。

 

受入れ人数の拡大と制度の位置づけ

 

2026年初頭、政府は育成就労制度と特定技能制度を合わせ、今後の一定期間で最大約123万人規模の外国人材を受け入れる方針案を示しました。
これは、少子高齢化による一定分野における人手不足が一層深刻化していることを背景としたものです。
特に製造業、建設、農業、介護など、現場人材を必要とする分野が中心となっており、企業にとっては中長期的な人材確保の選択肢として、制度の重要性が高まっていると言えます。

 

育成就労制度における「転籍」の考え方

 

育成就労制度の大きな特徴の一つが、一定条件のもとで「本人の意向による転籍」が認められる点です。原則として、同一の企業で1年以上働いた後、一定の日本語能力や技能水準を満たせば、同じ業務分野内で職場を変更することが可能になります。
これまでの技能実習制度では、転籍は例外的な扱いでしたが、新制度では労働者の選択肢を確保しつつ、企業側の育成投資も無駄にならないよう、バランスが取られています。
具体的には、早期に転籍が行われた場合、新たな受入企業が初期費用の一部を補填する仕組みが導入される予定です。

 

監理団体から「監理支援機関」へ

 

制度改正に伴い、これまでの「監理団体」は廃止され、新たに「監理支援機関」という枠組みに再編されます。
名称が変わるだけでなく、役割や責任もより明確かつ厳格になります。
特に重要なのが、外部監査の義務化です。受入企業と利害関係のない第三者(行政書士または弁護士等の資格を持つ者)によるチェックが求められ、監理支援機関の中立性と透明性がこれまで以上に重視されます。
現在、監理団体として活動している法人や、これから新規参入を考えている企業は、早い段階から要件を確認し、準備を進めておくことが重要です。

 

人事担当者・企業が今から考えるべきこと

 

育成就労制度は、単なる制度変更ではなく、外国人材との向き合い方そのものを見直す転換点とも言えます。
短期的な人手不足の穴埋めではなく、育成・定着・キャリア形成を前提にした受入れ体制が、今後はより強く求められます。

 

2026年は、制度理解と準備の年になります。
受入れを検討している企業や、監理支援機関の申請を考えている法人は、早めに専門家へ相談し、自社に合った形を整理しておくことが、スムーズな制度対応につながります。

 

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