特定技能外国人による訪問介護について

特定技能外国人による訪問介護について

2025年度から一定条件下で認められた特定技能外国人の訪問介護。対象サービス、外国人本人の要件、事業所に求められる体制や注意点をわかりやすく説明します。

特定技能外国人は訪問介護ができるのか。2025年度制度改正の内容と事業所が注意すべき実務ポイント

慢性的な人手不足が続く訪問介護の現場において、2025年度(令和7年度)から、特定技能「介護」の外国人が一定の条件のもとで訪問系サービスに従事できるようになりました。これは介護分野全体にとって大きな制度改正ですが、「誰でも」「すぐに」訪問介護ができるようになったわけではありません。

 

本ブログでは、制度の概要を整理したうえで、実際の運用で事業所が注意すべきポイントを解説します。

 

対象となる訪問系サービスの範囲

 

今回の制度改正により、特定技能外国人が従事できる訪問系サービスとして、指定訪問介護をはじめ、訪問入浴介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護などが対象とされました。
もっとも、これは「原則解禁」ではなく、安全性と適切な支援体制が確保されることを前提とした限定的な運用である点が重要であり、注意が必要です。

 

外国人本人に求められる要件

 

訪問介護に従事できる特定技能外国人には、施設介護以上に高い基準が設けられています。
まず、介護職員初任者研修(または実務者研修)を修了していることが必須です。加えて、原則として日本の介護施設等で1年以上の実務経験を有していることが求められます。
例外として、日本語能力試験N2相当以上の高い語学力を有し、かつ利用者ごとに十分な同行支援を行う場合には、1年未満でも認められる可能性がありますが、これはあくまで限定的な運用であり、安易に適用できるものではありません。

 

受け入れ事業所に課される厳格な遵守事項

 

訪問介護は利用者の自宅という「密室性の高い環境」で行われるため、事業所側の責任は極めて重くなります。
事業所は、訪問介護の基礎や日本の生活習慣に関する研修を実施するとともに、当初は必ずサービス提供責任者等が同行し、本人の技術やコミュニケーション能力を十分に確認する必要があります。
また、本人の希望を踏まえたキャリアアップ計画の作成や、ハラスメント防止マニュアルの整備、相談窓口の設置も不可欠です。
さらに、緊急時に即座に管理者と連絡が取れるよう、スマートフォン等を活用したICT体制の整備が強く求められています。

 

利用者・家族への説明と同意の重要性

 

訪問介護に特定技能外国人が従事する場合、利用者や家族に対し、事前に十分な説明を行い、書面による同意を得ることが必要です。また、どの利用者宅に訪問させるかについても、外国人本人の能力、日本語力、利用者の心身の状態や家族の意向を総合的に考慮し、事業所として判断・記録することが求められます。

 

最後に

 

特定技能外国人による訪問介護は、人材不足解消の有力な選択肢となり得ますが、その前提には「安全なサービス提供」と「外国人材の孤立防止」という制度趣旨があります。施設介護以上に、研修・同行支援・ICT体制を丁寧に整えたうえで、慎重に運用することが不可欠です。

 

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