特定技能外国人を雇用している企業にとって、在職中の管理だけでなく「退職時の対応」も非常に重要なポイントです。実際の現場では、「突然辞めてしまった場合、何から手を付ければよいのか分からない」という声も少なくありません。
特定技能制度では、外国人が離職した場合、企業側にいくつかの法的・実務的な対応義務が課されています。これを怠ると、将来的に特定技能外国人を受け入れられなくなるリスクもあるため、注意が必要です。
特定技能外国人が退職した場合、雇用していた企業は、退職日から14日以内に管轄の出入国在留管理局へ届出を行う必要があります。
使用する書類は「特定技能雇用契約終了届出書(第1-6号様式)」で、窓口提出だけでなく郵送や電子届出にも対応しています。
また、外国人本人にも「所属機関に関する届出」の義務があります。企業としては、トラブル防止の観点から、この点をきちんと説明しておくことが望ましいでしょう。
退職理由が本人の転職希望など自己都合である場合、基本的には通常の退職手続きを進めることになります。
一方で、倒産や解雇、契約打ち切りなど企業側の事情による離職の場合には、次の就職先探しに向けた支援が求められるケースがあります。
具体的には、ハローワークの利用を案内したり、必要に応じて推薦状を用意するなど、外国人が不利にならない配慮が重要です。
特定技能外国人であっても、社会保険や税務の扱いは日本人従業員と変わりません。
雇用保険の離職票、健康保険・厚生年金の資格喪失届、住民税の徴収方法の切替など、退職時に必要な手続きを一つずつ確実に行う必要があります。
特に住民税については、未納が残らないよう、本人と納付方法を確認しておくことが実務上重要です。
登録支援機関に支援業務を委託している場合は、退職が決まった段階で速やかに連絡を入れましょう。
定期報告とは別に、離職に伴う報告や支援委託契約の見直しが必要になることがあります。
転職ではなく帰国を選択する場合、帰国費用の扱いは支援計画や雇用契約の内容に左右されますが、企業負担となるケースも多く見られます。
また、厚生年金に加入していた外国人には、帰国後に脱退一時金を請求できる制度があることを案内すると、丁寧な対応と言えるでしょう。
特定技能外国人の退職対応で最も重要なのは、「14日以内の届出を確実に行うこと」*です。
そのうえで、離職理由や本人の今後の進路に応じて、適切な事務対応と配慮を行うことが、企業にとって重要になります。
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