育成就労外国人への日本語教育について

育成就労外国人への日本語教育について

育成就労制度では、日本語力を段階的に伸ばすことが求められます。このブログでは、日本語教育の流れ、入国後講習の時間やパターン、講習内容とルールについて、企業のご担当者にもわかりやすく解説します。

育成就労制度の日本語教育はどうなる?日本語能力向上のための施策について説明します

育成就労制度では、日本で働く外国人の方が、仕事だけでなく生活面でも困らないよう、日本語力を少しずつ伸ばしていくことが大切であるという設計がされています。そのため、制度の中には「日本語教育」がしっかりと組み込まれており、企業もサポート役として重要な役割を担います。

 

ここでは、①日本語能力向上の流れ、②入国後講習の時間とパターン、③講習の内容とルールという3つの視点から整理してご紹介します。

 

1. 日本語能力向上の流れ

 

育成就労制度では、就労期間となる3年間の中で、日本語力を段階的に伸ばしていくことが求められています。入国時点では、日常的な簡単なやり取りができるレベルであるA1相当を想定し、日本語能力試験でいえばN5程度が目安となります。
そこから、3年間の就労を通じて、最終的にはA2相当、つまり日本語能力試験のN4程度まで日本語力を高めていくことが目標になります。この水準になると、ある程度の場面で簡単な会話が成立するようになり、特定技能への移行も視野に入ってきます。
日本語講習を提供するのは企業側の義務とされており、費用も企業が負担します。現場での指示が伝わりやすくなるだけでなく、生活面でのトラブルを防ぐことにもつながるため、企業にとっても大きなメリットがあります。

 

2. 入国後講習の時間とパターン

 

入国後に受ける講習時間は、本人の日本語レベルや、入国前にどの程度講習を受けているかによって異なります。
まず、入国時点でA1相当の試験にまだ合格していない場合は、入国前に講習を受けていないと合計320時間以上の受講が必要になります。もし入国前に160時間以上の講習を受けていれば、入国後は160時間以上に短縮されます。また、A2相当の試験に合格するためには、認定された日本語教育機関で100時間以上のA1相当講習を受ける必要があります。

 

一方、すでにA1相当の試験に合格している場合は、入国前講習なしで220時間以上、入国前に110時間以上受講していれば、入国後は110時間以上の講習で足ります。この場合、A2合格のために必ずしも認定機関での受講に限定されるわけではありません。
このように、本人の状況に応じて柔軟に時間が設定されている点が特徴です。

 

3. 講習の内容とルール

 

講習内容は、日本語だけではありません。日本で生活する上で必要な基礎知識や、トラブルに遭ったときの相談先、労働法令に関する情報なども学びます。さらに、職場でスムーズに技能を身につけるための知識も含まれており、「働くための準備教育」という位置づけになっています。
また、一定の条件を満たせば、オンラインでの講習も認められています。双方向でリアルタイムにやり取りができる体制が必要となるため、単なる動画視聴とは異なります。
なお、講習期間中は就労させることはできず、あくまで学習が優先されます。制度開始後しばらくの間は、一定要件を満たす登録日本語教員による講習も、認定機関と同等とみなされる経過措置も設けられています。

 

すでにA1やA2レベルに合格している場合には、原則として対応する講習を受講させる必要はありませんが、分野によってはより高い日本語力が求められる場合もある点には注意が必要です。

 

まとめ

 

育成就労制度の日本語教育は、「働くため」「暮らすため」「将来のキャリアのため」という3つの視点をふまえた仕組みになっています。企業が適切にサポートすることで、受け入れ後の定着や安心感にもつながります。

 

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